=令和の東証大号令相場のこれから その②=
2023年8月29日 東証第11回のフォローアップ会議の
議事録から「東証がこれからやろうとしている事」
議事録は32ページもあり中々読むのが大変💦なのですが、所謂「令和の東証大号令(PBR1倍割れは許さんぞ&ROEをあげろ!)」に関わる部分の骨子をまとめてみました。
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🌟東証はこれから何をやろうとしているのか?
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今回の東証からの要請(資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応の開示)への企業の対応を整理&開示した東証がこれから何をやろうとしているのか?をまとめました。ヘムは「東証はかなり深いところまで議論しているな、このペースでしつこくやられたら、真面目な日本企業の大半は対応するだろうな」と感じました。
厄介なのは支配株主がいる小規模企業です。「資本コストなど知るか!」といったこの手の会社は手ごわいですが、東証もわざわざ「支配株主」のいる企業の対応が悪いというデータを出している事から期待感はあります。以下は、支配株主がいる企業ほど開示状況が悪いというデータです。複数のフォローアップ会議のメンバーが強いトーンでこの事を批判しています。
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🌟フォローアップ会議は
少なくともまだ2年は続くよというお話
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以下議事録から、フォローアップ会議は3年間継続するようです。ヘムも初めて知りました。第1回の2022年7月29日を開始としても後2年ありますね。このペースで2年あれば相当な事が出来そうです。引き続ぎ全力投球でお願いします。
上記の議事録の内容は、自分達(フォローアップ会議自体)も場当たり的にならないように、フォローアップ会議への評価方法を決めたり、目標を設定した方が良いのでは?との提案です。素晴らしい考え方ですね。
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少し話がそれましたが、以下が議事録の抜粋です。
議事録の文章は小難しいのでヘムが嚙み砕いてます。
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✅ 開示の促進策 = 開示企業の一覧表示
どの会社が東証の開示要請に対応しているかの一覧表を作って、開示していない企業にプレッシャーをかけるとの話。一覧表示では「資本収益性」「資本コスト」「市場評価」という観点から内容分析することも一案と。この一覧表は簡単に検索で出てくるようにした方が良い。経営者に対応しないといけないんだという気持ちを持たせていく。日本人には恥の文化があるので効果的。
ヘムの見方)要は「開示企業名」と「中身の分析」の一覧表を東証が作って、だれでもすぐ検索したら出てくるようにしてはどうか?という事。ヘムも一定の効果があると思います。おそらく、これは実行するでしょうね。
✅ 開示の促進策 = お手本の提示
何をしていいか分かっていない企業も多いので、
投資者の視点を踏まえた対応のポイントや、
良い取組みの事例を周知する。好事例の開示は企業への有益なガイダンスになる。
ヘムの見方)企業が形式的な対応をしないように留意しつつとの注意点を述べていた。それでも結局は形式的な対応になると思う。ただ、好例を周知するのだから形式的に真似てもらっても株主にはプラスになるので問題なし。是非「お手本」を提示してあげてほしいです。実現するかは半々位の確率でしょうか。実現すれば効果は大きいと思います。
✅ 開示の促進策 = やる気なし企業あり
経営者が対応の意義や必要性について十分に腹落ちしていないケースがある。丁寧に説明していくべき。「株式市場で不特定多数の投資家から資金を調達して事業を遂行する責務を改めて考え直す機会も必要」とまで言及。
ヘムの見方)少数株主軽視のオーナー企業に多いパターンで「そんなの知るか」と考えている企業への対応の事。割安重視のスクリーニングや理論株価の割安度から銘柄選定するとこの手の企業を買ってしまうことが多い。キャッシュ溜め込み&開かずの金庫パターン。東証がここにメスを入れてくれれば非常に嬉しい。ただ、この手の会社は「右へ倣え」とはならない。それでも、東証がこのような「そんなの知るか!企業」を意識している事だけでもプラス要因。ヘムには「上場するという事がどういう事か分かっていないから、少しづつでも教えていくね」と言っているように聞こえる。よろしくお願いします🙇♂️
✅ 開示の促進策 = PBR1倍超え企業の反応が悪い
PBR1倍を超えていれば問題ないと考えている企業が多い。そうではないという事を周知徹底する。
ヘムの見方)PBR1倍超え、ROE8%超えで自分達は関係ないかなと考えていた大企業が動く要素になる。ヘムの保有銘柄には少ないが、日本株全体にとっては良い事。
🌟総論
まだ要請から半年もたっておらず東証も様子見。それでも、ここまで考えているのは心強い。過去の日本企業は株主還元を強化し続けている。
それでもなお、内部留保が貯まり続けている事(2022年も内部留保は過去最高を更新)、その内部留保を更なる成長に活用しきれていない事から、今回の東証の取り組みは以下1~4のような効果をもたらすと考えます。
1)成長投資との促進
2)株主還元の増加
3)物言う株主の活発化&株主提案の増加
4)M&Aの増加(TOBも増加)
株主還元の強化等は今までも良い流れで、
この流れが続くだけで株主は ‘ほくほく😊’
更に東証の強烈な後押しもあるので、
インカム派に今の日本株は
大変良い環境だと思っています。
ヘムは、東証はこの改革の手は緩めないと思っています。対応企業と非対応企業の一覧表示の後は「コンプライ・オア・エクスプレイン」が控えているのではと推測しています。簡単に言うと「東証の要請通り、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応策を開示しなさい」それが出来ないなら「何故出来ないのかを説明しなさい」という事です。実際に東証がコーポレートガバナンスコードで実施した戦略で、実施されれば大きな効果が期待できます。
この改革は息の長いもので、日本株にとっては大きな追い風になるというのがヘムの見方です。
次回の「その③」で第11回東証フォローアップ会議の解説ツイートはおしまいです。
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