「コンドーテック【7438】」の分析その③
= 足場の将来性 =
✅足場部門ってどんな仕事🙄
2019年より足場会社3社を立て続けに買収
・テックビルド株式会社 17拠点
・東海ステップ株式会社営業所 15拠点
・株式会社フコク営業所 5拠点
今後はマンション等の高層建築物や橋等の老朽化が進み足場工事需要が増える。同社の鉄構資材販売先や産業資材販売先が、見込み顧客である事からシナジー効果も見込めると考え当分野に進出。
以下棒グラフ📊を見れば同社の歩みが分かる。
・祖業は薄緑色の産業資材部門
・1990年代前半に水色の鉄構資材部門がスタート
・2010年に三和電材を買収し橙色の電設資材部門がスタート
・2019年以降3社を買収しピンク色の足場部門がスタート
4部門とも順調に成長している。同社はM&A巧者でシナジーが見込まれる分野のM&Aで成長している。今日は4番目の柱として期待される「足場部門」のポテンシャルに就いての話
足場部門は前期で既に全社に占める売上構成比は約11%でヘムは当分野の今後の成長に期待している。
✅足場部門 セグメント利益
初期投資償却・のれん償却が重くまだセグメント利益は今期3Q時点で1.54億円で全社利益に占める割合は4.2%。ところが償却を除くEBITDAベースでは既に6.7億円の利益で全社の15%を占めている。BSからのれん残は29億。20年償却とのこと故毎年2億程度か。残りの4億は足場購入に伴う初期投資償却。こちらは後5年程で償却終わりとの事。消却が軽くなれば一気に利益化する👏
✅足場ビジネスの魅力
同社は足場をメーカーから購入。その足場を使って「工事」を行ったり「足場のレンタル」をしたりしている。足場は5~7年程度で償却している模様だが、実際は20年以上使える。つまり償却が終わっても利益を生み続ける。今は投資フェイズだが回収フェイズに入ると一気に利益化する。
足場工事自体が成長分野である事、同社の鉄構資材・産業資材の客先が「ゼネコン」「工務店」でシナジー効果が狙える事から、今後の成長に期待できると考えた。
仮に成長を諦め足場の新規購入を今すぐストップしたとして足場の償却が終わる5年後にはセグメント利益は6億円程度になる。同社の前期経常は45.6億円。これだけでも、それなりの成長要因。ただ足場は今後の伸びが期待できる分野。同社も積極的な設備投資を行っている。
✅足場への投資
以下は同社の設備投資。明らかに2019年以降に急増している。2019年は同社が足場部門に参入した年。以降設備投資額は年々増加している。従来6億円程度であった設備投資額が直近では約14.5億円。ヘムはこの差額のかなりの部分が足場の購入ではないかと考えている。同社が足場部門の成長に大きな期待を持っているという事かと。
足場の購入は、建設不況で工事が無くなると償却だけが残るリスクはある。ただ、足元3Q決算の売上高は前期比+80.7%。40年以上の老朽マンションは20年後に3.5数倍にふえる。足場の償却期間は5~7年程度と短期間である為リスクも限定される。リスクと期待度では期待度の方が大きいと判断。
なお、同社は足場のレンタルも行っており、売り上げを増やしている。前期は足場工事の中でのレンタル売上比率は6%であったが今期は7.8%に上昇。レンタルは利益率が良い。
レンタルと工事の両方で使用できるので、購入した在庫を遊ばせる可能性はAsova等のレンタル専業と比較すると低い。
✅買収足場会社の減損処理
同社は前期(2023.3期)買収した足場会社の1社「株式会社フコク」に対して6.11億円の減損処理を行っている。これは足場の将来性の見通しと逆行する処理に思え、同社IRに問い合わせ。
少し長いが以下同社からの回答。要約すると業績は好調だが元々の見立てが強気すぎたから減損。ただ需要は回復で業績も堅調。足場部門は土木・橋梁やレンタルの拡大に向けた機材投資額を想定より増やし事業拡大に取り組んでいる。
以下IRからの回答原文
お問い合わせいただきました株式会社フコクの減損理由についてのご質問につきまして、株式会社フコクにおきましては、株式を取得した際に超過収益力を前提にしたのれんを計上しておりました。しかし、買収後にコロナ禍となり、コロナ禍による事業環境悪化の影響を受けたこともあり、業績が買収当初策定した事業計画を下回っている状況であったため、中期的な事業計画の見直しを行いました。その結果、引き続き好調が予想される土木・橋梁やレンタル拡大による業績拡大を見込むものの、買収時に想定していたほどの超過収益力が見込めなくなったため、2023年3月期に、のれんの一部を減損損失として計上しております。
なお現在は、コロナも落ち着き、大型案件を中心に需要も回復してきており、業績は堅調に推移しております。また今後の成長分野への投資として、土木・橋梁やレンタルの拡大に向けた機材投資額を想定より増やし事業拡大に取り組んでおり、買収時に見込んでいたほどの超過収益力はないものの、超過収益力は引き続きあると考えております。そのため、のれんの減損につきましても全額ではなく一部にとどめております。
⇒ 上記からヘムは同社はマーケットには強気で成長余地は十分と判断。前期6.1億の のれん減損は一過性。また、今後の投資のメインである足場自体の購入は償却期間も5~7年程度と思われリスクは限定。「工事」「レンタル」の兼業の強み、産業資材・鉄構資材の顧客が潜在顧客である事からのシナジー効果、老朽化が進む日本の土木・橋梁・高層マンションの修繕からくるマーケット自体の伸びを総合して、当部門の今後には期待が持てると判断した
長くなったがコンドーテックの分析記事は今回で終了。同社を主力にした最大のポイントは、5~7年後までの増配確度が極めて高い所。2030年にヘムの見立て通りになっているか🙄ヘム自身も楽しみです😊
おしまい
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