🌟もしヘムが「大石産業(3943)」の経営者なら 令和の東証大号令にどう対応するんだろう🙄 (資本コストと株価を意識した経営の実現への対応) 真剣に考えてみました。ヘムは30歳で起業して20年。現在は会社2社を経営しています。 自分なりの経営哲学もあり投資でも自らの経営視点を銘柄選定に活用しています。 この視点から「もしヘムが上場企業の経営者ならどうするのか」を考えてみました。第一弾はヘムの主力銘柄でもある「大石産業」です。
⚠️以下では「弊社」や「当社」と記載していますが、 これはヘムが経営者ならという仮定で記載しているだけです。以下は大石産業の見解ではない点はくれぐれもご注意ください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ もしヘムが大石産業の経営者ならどのように 令和の東証大号令にどう対応するか❓ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1⃣ 現状分析(市場評価)
まずは現状分析から。 a) PBR 0.48倍 ・解散価値の半額以下という絶望的な低評価😵💫 ・全上場企業約4,000社でPBR0.48倍以下は388社 資産面からの評価は下位10%と不名誉な状況 b) PER 7.6倍 ・黒字企業でPER7.6倍以下は僅か413社 ・PERは成長期待を表す指標 ・市場は当社の成長性に全く期待していない
まとめ)解散価値の半額以下の株価。創業来赤字無しと安定経営をしているのに、事業価値は0どころかマイナスと評価されている。理論上おかしいレベルの評価で現状は深刻。
一方日本の上場企業全体では以下の様に多くの企業が低PBR群から脱しつつある。弊社は取り残されている状況。
2⃣ 現状分析(当社の資本収益性)
ROEは投資家が最も重視する指標。 🍀当社のROE 実績 5.47% / 予想6.36% 🍀全上場企業のROEの平均値は9.4%程度
当社のROEは市場平均を大きく下回っている。 この低ROEが低株価の主要因。更に悪い事に当社では毎年「自己資本」を積み上げているが、自己資本の増加と同じペースでは利益成長しておらず、ROEは低下傾向にある。ただでさえ低いROEが低下傾向を辿っているのだから市場が評価する訳がない。
また今期は期中に下方修正しており、先日開示下した3Q決算内容からは更なる下方修正があるのではと思わせる内容。この現状から、PRE/PBR面の低評価は妥当なレベルと言わざるを得ない。
🌟 当社の株主資本コスト
CAPMによる算出では当社の株主資本コストは リスクフリーレート0.5% + マーケットリスクプレミアム8.0% x 当社ベータ0.62 = 5.46%となる。 ベータ値は以下サイトより算出) https://costofcapital.jp/beta/historicalbeta/
当社のROEは市場平均を大きくは下回っているが、 株主資本コストは上回っている。それでもなおPBRは1倍を大きく下回っているのが実情。主な理由は以下4点が考えられる
🍀 CAPMによる株主資本コストと実際の株主の期待リターンに差異がある 🍀 弊社の成長性に市場が期待していない 🍀 株主還元が低すぎる 🍀 IR活動が足りず市場に正当に評価されていない
いずれにせよ伊藤レポートでも基準となっており、 上場企業で最低限クリアーすべきとも言われているROE8%超えは急務であると考える
3⃣ 現状分析(株主還元面)
当社の株価が大きく低迷しているもう一つの理由は、株主還元の弱さ。当社の自己資本比率は64.6%。全上場企業の自己資本比率の平均値は40%程度で、自己資本比率64.5%以上の企業は全上場企業約4,000社の中で約1,260社。つまり当社は自己資本比率では10社中8番目辺りの上位に位置している。
このように好財務であるにも関わらず、当社の配当性向は前期27.43%、今期22.53%と全上場企業平均約3割と比較しても低水準。一般的に配当性向は自己資本比率の高さに応じて高まる傾向にあるが、当社の場合は自己資本比率が高く配当余力はあるのに低配当性向で、株主還元に消極的な企業と分析される事になる。
上記を総合すると、投資家目線では「積みあがる自己資本を利益成長に活かせずROEが低下している上、好財務であるのに株主還元も弱い企業」と見られる事になる。つまり、投資対象として魅力がない企業。 まずはこの事がPBR 0.48倍という解散価値の半分以下の株価評価につながっている事を理解しなくてはならない。
🍀現状分析(当社の強み) ✨創業97年。創業以来赤字無しの安定企業 ✨上場来減配無しの安定配当企業 (DOE1.5%以上を採用) ✨主要5部門の内、パルプモウルド、ポリスチレンフィルムの2部門でトップシェア―
✨業績安定で毎期自己資本積み上げ。DOE採用の為今後も累進配当の継続が期待される
⇒ 上記のような地に足のついた経営が市場にもいつか評価されると考えていたが「資本収益性」「株主還元」の両観点から現状の延長戦上では「東証が要請している資本コストと株価を意識した経営」を実現出来ないと判断。以下の対策を実施していく。
4⃣ 対応策1(ROEの目標設定) 投資家が最も重視するROEを経営目標とする。 具体的には以下を目標とする。 ・2025年度 ROE8% ・2028年度 ROE10% 上記目標達成の為、当社5部門それぞれにおいてROIC経営を導入。弊社の強みでニッチトップでもある「パルプモウルド」「ポリスチレンフィルム」に経営制限を集中する事で利益率を高めていく。資本収益面で劣る「段ボール部門」「重包装袋部門」は縮小・事業売却も含めて検討を行う。 なお、今後の事業投資においてはROIC経営を徹底し、 ROIC>WACCを十分な余裕をもって達成できる案件に注力していく。以上により2025年度ROE8%、2028年度ROE10%の達成を目標とする
5⃣ 対応策2(株主還元) 弊社の現在の配当政策はDOE1.5%である。上記の当面の目標であるROE8%達成の場合は、毎期自己資本が6.5%積みあがる事になる。積みあがる自己資本を利益成長に繋げられていない事が問題なのに、更に自己資本をハイペースで積みあがる事になる。現在の弊社財務状況からもバランスの取れた株主還元政策とは言えない。上記を勘案して2024年3月期より現在のDOE1.5%をDOE2.0%に引き上げ、以降も2028年度のDOE3.0%まで段階的に引き上げるものとする。
6⃣ 対応策3(株主優待の拡充) 弊社のPBR0.48は極めて深刻な状況と考える。急務的には株価対策も必要と考え、2024年3月期より株主優待を以下のように拡充させる。 🍀現在 クオカード優待100株 1,000円 / 1,000株 3,000円 🍀変更後 100株 3,000円 / 300株 6,000円 / 500株10,000円 / 1,000株 20,000円 ☆弊社の現在の株主構成(株主数2,496名)からの推定値では上記株主優待拡充に伴う追加コストは600万円~1,000万円程度と見込んでいる。弊社の今期純利益予想が11億円である事から軽微な負担で株価対策が実施できると考える。
⚠️上記では「弊社」や「当社」と記載していますが、 これはヘムが経営者ならという仮定で記載しているだけです。上記は大石産業の見解ではない点はくれぐれもご注意ください。
ヘムが経営者ならこんな感じでしょうか😊 事業ポートフォリオの再構築については、部外者であるヘムでは理解が難しく「曖昧な表現」になってしまいましたが、同社の現状を考えると本気で変わるにはこの位の「対応策」は必要だと思います。今回の東証の要請を真剣に正面から受け止めるとこのような対応になる筈なのです😠
余計なお世話である事は百も承知ですが、ヘムならどうするのシミュレーションを行ってみました。実際の大石産業の開示はどうなるでしょうか?上記の「もしもヘムなら」との比較を楽しみにしてます😊
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