政府や東証がやろうとしてる事

tweet記事
2023/7/11 tweet

政府や東証がやろうとしてる事=ヘムが日本株に強気な理由= まずは以下のグラフをしっかり目に見てほしいです。日本株全体の時価総額は832兆円です。これは、日本の全上場企業の株を今の株価で買うには832兆円かかりますよという事です。これに対して、日本の家計の金融資産は2043兆円あり、現金が1,107兆円あります。 この1,107兆円のほんの一部でも「日本の株式市場」に流れるともの凄いインパクトになります。 仮に10%の110兆円が「日本株購入」に向かえば、日銀保有分+GPIF保有分の買いが生じます。年々存在感を務める海外投資家の保有金額は243兆円、日銀保有が58兆円、くじらと表現されるGPIF(年金運用)が55兆円です。 個人の金融資産の一部が「日本市場」に向かう流れを作る事は大変重要で、そのために「新NISA」や「東証改革」が行われています。ヘムの目には、政府も東証も決して愚かではなく今までの取り組みを見ていると着実に歩みを進めていると映っています。 =骨太方針に含まれている 「資産運用立国宣言」についてのヘムの考え = 今回の「資産運用立国」宣言もまだ中身がはっきりしませんが、岸田首相はこの4月にも「2000兆円の家計金融資産を解放し、持続的成長に貢献する資産運用立国を実現する」と意欲を示していました。ヘムには、政府や東証がやろうとしている事は、ぎゅっと凝縮すっるとこの2点だと思っています。

  1. 上場企業のROEを改善させる事
  2. 個人金融資産を日本の株式市場に向ける事

そして、その方向性は正しいと思っており、期待も応援もしています。

日本株の時価総額 832兆円

◎個人に溜まった金融資産2,043兆円(現預金 1,107兆円)

◎企業に溜まった内部留保 516兆円 (2021年)

◎過去最高の配当総額と自社株買いでも、米国と比較して著しく低い総還元性向

政府も東証も上記を理解しアクションを起こしている。これらは全て伸びしろと考えてよいと思います。 ヘムは日本株の先行きを楽観的に見ています

2023/9/5 tweet

=令和の東証大号令相場のこれから その①=

2023年8月29日に東証は第11回のフォローアップ会議を開催しました。東証の開示資料は非常に興味深いものでした。

今までの大まかな流れ)

日本企業は長期に渡り利益を内部留保として貯めこみ、成長投資や株主還元に振り向けてこなかった。結果として日本企業は世界でも飛びぬけて低ROEとなっていた。苛立つ東証は2022年後半から所謂「令和の東証大号令(PBR1倍割れは許さんぞ/ROEを高めろ)」に取り組む。

議論を重ねた東証は2023年春に東証上場の全企業に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」を要請。小難しく書いているが、要は「ROE高めろよ!特にPBR1倍割れ企業は!」という事。

この東証からの要請に日本の企業はどのように動いたのか、今後は東証としてどのように企業にプレッシャーをかけていくのかが、2023年8月29日の第11回のフォローアップ会議で話し合われたという事です。

資料① 
東証の要請に対して対応策を開示した企業の割合

検討中を開示と含めているのでややこしいが、
プライム市場では20%が開示、スタンダード市場では僅か4%しか開示していない。ここが重要。この資料から読み取れることは、大企業の一部は対応策を開示したけど中小型株に属するような企業はほとんど開示してません。「中小型株での令和の東証大号令相場はまだ序盤ですよ」というのがヘムの見解です。

資料② 更に詳細のグループ分けした開示状況

傾向その1)低PBRの企業は名指しで責められているので、低PBR企業ほど開示しています。

傾向その2)大型株に属するような時価総額の大きな企業ほど開示しており、ヘムが主戦場とするような小型株に属する小規模企業は開示が進んでいません。

⇒ 開示を行う企業の一定数は「大幅増配や大規模自社株買い」等のサプライズ還元策を出しています。この春は開示割合が高かった「大型株の低PBR企業」の株価が絶好調だったわけです。「その流れはこれから開示が進む小型割安株に移ってきますよ」というのがヘムの見方です。

ヘムが主戦場とする「時価総額250億円未満でPBR1倍割れ企業」の開示率は12.5%です。これから残りの87.5%が、東証のプレッシャーに負けて順次対応策を発表していく事になるでしょう。大変楽しみです。

資料③ 2023年1月以降の株価の推移

金融機関を除く低PBRの推移を見ると明らかに令和の東証大号令の効果が表れていますね。

資料④ ROE改善の推移

ROEも僅か5ヶ月で0.6%も改善しています。
これも東証大号令の効果と言って良いと思います。

ヘムは令和の東証大号令相場は息の長い相場になるとと思っています。その根拠は今までに何度かお話している、日米欧の総還元性向の差です。日本の直近の総還元性向は約55%、一方米国は100%超です。100%が適正だとは思いませんが、日本企業には既に十分すぎるほどの内部留保が貯まっている事からも、70%程度が現実的な数字だと思っています。

東証が今やろうとしている事は、上場企業のキャッシュを「成長投資」か「株主還元」に向かわせることです。キャッシュをめちゃくちゃ溜め込んでいる企業はヘムの大好きな小型株に多いので、これからの東証の動きをとっても楽しみにしているという訳です。

おしまい

2023/9/5 Tweet

=令和の東証大号令相場のこれから その②=

2023年8月29日 東証第11回のフォローアップ会議の
議事録から「東証がこれからやろうとしている事」

議事録は32ページもあり中々読むのが大変💦なのですが、所謂「令和の東証大号令(PBR1倍割れは許さんぞ&ROEをあげろ!)」に関わる部分の骨子をまとめてみました。

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🌟東証はこれから何をやろうとしているのか?
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今回の東証からの要請(資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応の開示)への企業の対応を整理&開示した東証がこれから何をやろうとしているのか?をまとめました。ヘムは「東証はかなり深いところまで議論しているな、このペースでしつこくやられたら、真面目な日本企業の大半は対応するだろうな」と感じました。

厄介なのは支配株主がいる小規模企業です。「資本コストなど知るか!」といったこの手の会社は手ごわいですが、東証もわざわざ「支配株主」のいる企業の対応が悪いというデータを出している事から期待感はあります。以下は、支配株主がいる企業ほど開示状況が悪いというデータです。複数のフォローアップ会議のメンバーが強いトーンでこの事を批判しています。

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🌟フォローアップ会議は
少なくともまだ2年は続くよというお話
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以下議事録から、フォローアップ会議は3年間継続するようです。ヘムも初めて知りました。第1回の2022年7月29日を開始としても後2年ありますね。このペースで2年あれば相当な事が出来そうです。引き続ぎ全力投球でお願いします。

上記の議事録の内容は、自分達(フォローアップ会議自体)も場当たり的にならないように、フォローアップ会議への評価方法を決めたり、目標を設定した方が良いのでは?との提案です。素晴らしい考え方ですね。

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少し話がそれましたが、以下が議事録の抜粋です。
議事録の文章は小難しいのでヘムが嚙み砕いてます。
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✅ 開示の促進策 = 開示企業の一覧表示

どの会社が東証の開示要請に対応しているかの一覧表を作って、開示していない企業にプレッシャーをかけるとの話。一覧表示では「資本収益性」「資本コスト」「市場評価」という観点から内容分析することも一案と。この一覧表は簡単に検索で出てくるようにした方が良い。経営者に対応しないといけないんだという気持ちを持たせていく。日本人には恥の文化があるので効果的。

ヘムの見方)要は「開示企業名」と「中身の分析」の一覧表を東証が作って、だれでもすぐ検索したら出てくるようにしてはどうか?という事。ヘムも一定の効果があると思います。おそらく、これは実行するでしょうね。

✅ 開示の促進策 = お手本の提示

何をしていいか分かっていない企業も多いので、
投資者の視点を踏まえた対応のポイントや、
良い取組みの事例を周知する。好事例の開示は企業への有益なガイダンスになる。

ヘムの見方)企業が形式的な対応をしないように留意しつつとの注意点を述べていた。それでも結局は形式的な対応になると思う。ただ、好例を周知するのだから形式的に真似てもらっても株主にはプラスになるので問題なし。是非「お手本」を提示してあげてほしいです。実現するかは半々位の確率でしょうか。実現すれば効果は大きいと思います。

✅ 開示の促進策 = やる気なし企業あり

経営者が対応の意義や必要性について十分に腹落ちしていないケースがある。丁寧に説明していくべき。「株式市場で不特定多数の投資家から資金を調達して事業を遂行する責務を改めて考え直す機会も必要」とまで言及。

ヘムの見方)少数株主軽視のオーナー企業に多いパターンで「そんなの知るか」と考えている企業への対応の事。割安重視のスクリーニングや理論株価の割安度から銘柄選定するとこの手の企業を買ってしまうことが多い。キャッシュ溜め込み&開かずの金庫パターン。東証がここにメスを入れてくれれば非常に嬉しい。ただ、この手の会社は「右へ倣え」とはならない。それでも、東証がこのような「そんなの知るか!企業」を意識している事だけでもプラス要因。ヘムには「上場するという事がどういう事か分かっていないから、少しづつでも教えていくね」と言っているように聞こえる。よろしくお願いします🙇‍♂️

✅ 開示の促進策 = PBR1倍超え企業の反応が悪い

PBR1倍を超えていれば問題ないと考えている企業が多い。そうではないという事を周知徹底する。

ヘムの見方)PBR1倍超え、ROE8%超えで自分達は関係ないかなと考えていた大企業が動く要素になる。ヘムの保有銘柄には少ないが、日本株全体にとっては良い事。

🌟総論

まだ要請から半年もたっておらず東証も様子見。それでも、ここまで考えているのは心強い。過去の日本企業は株主還元を強化し続けている。

それでもなお、内部留保が貯まり続けている事(2022年も内部留保は過去最高を更新)、その内部留保を更なる成長に活用しきれていない事から、今回の東証の取り組みは以下1~4のような効果をもたらすと考えます。

1)成長投資との促進
2)株主還元の増加
3)物言う株主の活発化&株主提案の増加
4)M&Aの増加(TOBも増加)

株主還元の強化等は今までも良い流れで、
この流れが続くだけで株主は ‘ほくほく😊’
更に東証の強烈な後押しもあるので、
インカム派に今の日本株は
大変良い環境だと思っています。

ヘムは、東証はこの改革の手は緩めないと思っています。対応企業と非対応企業の一覧表示の後は「コンプライ・オア・エクスプレイン」が控えているのではと推測しています。簡単に言うと「東証の要請通り、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応策を開示しなさい」それが出来ないなら「何故出来ないのかを説明しなさい」という事です。実際に東証がコーポレートガバナンスコードで実施した戦略で、実施されれば大きな効果が期待できます。

この改革は息の長いもので、日本株にとっては大きな追い風になるというのがヘムの見方です。

次回の「その③」で第11回東証フォローアップ会議の解説ツイートはおしまいです。

2023/9/10 tweet

=令和の東証大号令相場のこれから その③=
その①とその②で30万回以上のインプレッションがありました。多くの方に見て頂いています。
=令和の東証大号令相場のこれから その①=
https://twitter.com/pygmy_hem/status/1698946233480757276
=令和の東証大号令相場のこれから その②=
https://twitter.com/pygmy_hem/status/1699299898615837120

今回はその③です。
その①、その②を見て頂いている前提で続けます。

✅フォローアップ会議のメンバー

注目は証券会社の関係者が3名も入っている事です。
今までの議事録を見ても、この3名(特に熊谷さん)が議論の方向を強く株主サイドが望む方向に引っ張ってます。私は東証を高く評価しているのは、このメンバーを選んだことです。そこに東証の強い意図を感じます。

以降の抜粋を見て頂けるとこの会議の温度感が
分かると思います。

注意⚠️⚠️)ここで議論されている事の全てが実現する訳ではありません。今までもそうでした。種々の事情で「ここまでは踏み込めないな」となるのでしょう。春の開示要請も会議では義務化の話も出ていたのが結局要請に留まりました。

それでもヘムは、この温度感でここまで深く議論し対策を練りアクションを起こし続ければ、経営陣の対応は変わってくると思っています。

✅ 議事録より抜粋 その他1

間もなく新NISAが始まる。フォローアップ会議の議論も、上場企業の企業価値向上の実効性を確保し、株式市場の変革に向けてスピード感をもって取り組むことが必要不可欠。
ヘムの見方)非常にポイントをよく理解されています。是非お願いします。

✅ 議事録より抜粋 その他2

支配株主あり企業の開示状況が悪い事を指摘した上で、以下発言。支配株主がいる企業の弊害は大きいと思わざるを得ません。実際に、支配的株主がいる企業では、対話が成り立たなかったり、対話に出てこないというケースも多くあります。支配株主がいる上場企業が抱える問題は大きいように思いますので、別途議論する必要があるように思います。
ヘムの見方)大賛成です。是非議論してほしいです。

✅ 議事録より抜粋 その他3

「検討中」なのであれば、いつまでに、どういうことを開示するのか、具体的な工程や時間軸を開示していただくようお願いする必要がある
ヘムの見方)大賛成です!よろしくお願いします。

✅ 議事録より抜粋 その他4

本当に市場を改革するということは、検討中としている会社や開示していない会社が変わっていくことです。私はどちらかというと強制性や指導していくという方針があっても良いのではないかと思っています。もうひとつは、市場原理が働くという観点で、この後のテーマにも関わると思いますが、投資家サイドからエンゲージメントやプレッシャーがあっても良いのではないかと思います。そういったことを通じて、取組みを開示していない70~80%の企業がしっかり変わっていくことが市場の改革につながると思います。
ヘムの見方)おっしゃる通りです!是非お願い致します。

タイムリーですが昨日の日経で以下のような記事が掲載されました。山道CEOへのインタビュー記事です。
以下に要約します。

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PBR1倍でも不十分、脱低迷日本へ 
取引所トップの信念
山道裕己日本取引所グループCEO
(日経記事 2023/9/9)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

🍀日本企業は欧米と比べてPBR1倍割れ企業が多すぎるとの議論が始まり。今回の要請は『資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応』のお願い
⇒ 要約すると、ROEを向上させて株価をあげてください!それが出来ていないのでPBRが低いんですよ

🍀PBR1倍を超えれば合格、下回るから不合格ではない。収益環境が厳しい業種もあるし、逆にPBR1倍だからといって、もういいわけでもない。さらに上を目指す方策を考えてほしいという要請だ」
⇒ 要約すると、PBR1倍超えてても油断しないで高みを目指してください!

🍀8月末時点で東証プライム上場の3月期決算会社の31%が開示。これきっかけで議論を深めているところもある。一定の成果はあり。

🍀我々としても優れた企業の例や投資家からの評価を分析し、その結果を発表することで『見える化』するつもりだ。
⇒ CEOのこの発言は非常に心強いです!日本企業は右へ倣えが多いので「お手本の提示」は多くの企業の対応を促すと思います。

🍀自社株買いだけでは効果は一過性だ。もっと地に足がついた中長期的なアプローチをしてもらいたい。研究開発や設備投資、人的資本への投資のほか、M&A(合併・買収)といった成長へ向けた投資がまずあるだろう。それで余剰があるなら株主に還元するという考えになる
⇒ これが資本主義の基本でおっしゃる通りです。ただ、長期に渡りひたするキャッシュを積み上げ、成長投資を行ってこなかった企業が、急に成長投資をしても失敗するだけかもしれない。「株主還元も強化して」「成長投資もこれだけ行うよ」と並列で行うところが多くなると思います。目先の果実の分配と将来の種まきを同時に行う事で株主にとっても良い事だと思います。

🍀機関投資家と企業の対話を促すコメントもありました。特に機関投資家サイドからアクションを起こすことが大切だと。
⇒ 個人投資家としてはとても良い流れだと思う。経営者が株主からの一定レベルのプレッシャーを受けながら経営に取り組むことは重要です。ただし過度はダメです。一定程度が重要だと思います。

ヘムの見解)
最後に
「第11回フォローアップ会議の議事録」
「日本取引所G 山道CEOのインタビュー記事」
を見てのヘムの見解をまとめます。

東証は非常によく考えていて、
その考えはヘムの希望と概ね一致している。
地に足の着いた改革を着実に進めており、
一過性のものではない。

今後まず起こるのは
✨企業への更なる『資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応』の要請
✨対応策を公表した企業の一覧作成&周知
✨対応策の好例(お手本)の提示
と思われる。一定の効果はある筈です。
大きな流れは、対応企業は大型株から小型株に移っていきます。小型株に低PBRでキャッシュリッチな企業が多い事から楽しみは大きいです。新NISAに間に合わせて日本株黄金時代を導いてほしい。日本株はまだまだ割安で還元余力もあります。今後の相場が楽しみです。

以上で「令和の東証大号令相場のこれから」シリーズおしまいです。長文を読んでいただきありがとうございました🙇

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