小型株効果とは?
株式の時価総額が小さい小型株は、時価総額が大きい大型株よりも収益率が相対的に高くなりやすい傾向にあること。
ヘムは小型株効果を信じているの?
ヘムは「バリュー株」への投資と「小型株」への投資は長期では市場平均を上回るパフォーマンスを達成できると考えているんだ。
何故、小型株への投資が有効だと考えているの?
前に話したことがあるけど、株式市場の参加者の大半は大口投資家なんだ。以下は投資部門別の株式保有比率の推移だよ。少し古いデータだけど、2020年で個人株主の保有比率はわずか16.8%なんだ。株を持っているのは、ほとんどが大口の「海外投資家」「銀行」「証券会社」「生損保」「大企業」なんだ。個人投資家はたったの16.8%しかいないんだよ。
小型株は時価総額が少なく、流通株式が少ないから大口投資家が買い付けると、自身の買いで株価を釣り上げてしまい高値で買う事になるんだ。高値掴みしたい投資家なんていないから、小型株は大口投資家に敬遠される事が多いんだ。
市場の参加者の多くを占める大口投資家が敬遠するって事は割安で放置されやすいって事?
その通り。でも、もう少し正確に言うと
1)参加者が少ないという事は市場の歪みが生じて適正価格ではない可能性がある。割高な株も割安かな株もあるが相対的に適正価格より割安だと思える株が多い
2)時価総額が小さいうちは大口投資家が買わないので割安に放置されている。その会社が成長して人気が出てくると時価総額が大きくなる。そうなると大口投資家が買えるようになり、株価が一気に上がる事がある
上記の2点から小型株への投資は有効で市場平均を上回るパフォーマンスが期待できると考えているんだ
ヘムは、以下2点が「個人投資家が株式市場で有利な点」だと考えているんだ
☆「小型株投資」が出来る事
☆「優待単元株投資」が出来る事
優待単元株投資」のメリットは別途記事にしているからそっちを見てね。
以下で実際に日本の株式指標での小型株効果の検証を行っていくね
長期 日本における大型株 vs 市場 vs 小型株
2010年以降13年間の大型株と市場と小型株のパフォーマンスの差を見ていくね。以下の指数を比較する事で、見ていくよ。
- 大型株 : TOPIX500
- 市場 : TOPIX
- 小型株 : TOPIX Small
TOPIX500とはTOPIXの対象銘柄のうち流動性・時価総額の高い500銘柄で構成された株価指数だよ。つまりはTOPIXのうち、大型株を集めたと考えて大きな間違いはないよ。
TOPIX SmallとはTOPIX(東証株価指数)算出対象銘柄の中から時価総額と流動性(売買代金)の高い上位500銘柄(「TOPIX 500」の構成銘柄)を除いた小型株で構成される時価総額加重型の株価指数だよ。TOPIXの対象銘柄は約2,200あるから、下位1700のデータでは小型株とまでは言えないけど、それでも上位500を抜いた指数になるんだから、とりあえずはこれを小型株と考えるね。
小型株の圧勝だね。この13年間で小型株が大型株を49.01%もアウトパフォームしているよ。整理すると以下のようになるね。
2010年1月を10,000として計算。以下は2022年10/1時点の指数。
- TOPIX 20,740
- TOPIX500(大型株) 20,360
- TOPIXSmall(小型株)25,261
2010年からの13年間では小型株(TOPIX Small)が大型株(TOPIX500)とTOPIXを圧倒しているね。このデータを見る限り小型株効果は明らかに存在するね。ただ2017年以降はむしろ大型株が盛り返してきてることにも注目だね。今後もずっとデータを追いかけていくよ。ちなみに以下は米国での小型株効果を示したデータだよ。
世界中で小型株効果は確認出来ているのね
小型株効果の要因は何なのか?
ヘムが考える小型株効果の要因は以下だよ
- 参加者が少ない事からくる市場の歪み(価値より割安に放置されている)
- 小型株が成長した時に初めて大口投資家が買えるようになる
- 流動性リスクの見返り
- アナリスト効果
- バリュー効果との重複(小型株に割安株が多い)
少し難しいよね。それぞれについてヘムの見解を述べていくね
参加者が少ない事からくる市場の歪み(価値より割安に放置)
どういう意味???
市場の参加者が十分に多いと価格は適正に近づくんだよ。売りたい人と買いたい人がたくさんいると、皆が考える適正価格の平均に近づいていくから、あまり歪みのない価格になっていくんだ。
逆に、大口投資家が参加しにくい小型株市場では、参加者が少ないため歪みが生じやすいんだ。別の言い方をするとミスプライスが起こりやすいと言えるんだ。ヘムは、小型株の場合はこの歪みやミスプライスが割安な方向、もう少し正確に言うと株価が適正価格より割安な状態になる事が多いと思っているんだ。
小型株が成長した時に初めて大口投資家が買えるようになる
前に少し書いたけど、大口投資家が小型株を買うと自らの買いで価格を釣り上げてしまって不利なんだ。それに小型株は、大型株に比べて価格の変動が激しいと言われていたり、倒産リスクが高いとされているから、ファンド会社では小型株への投資に制約を設けているケースも多いんだよ。つまり、小型株市場には大口投資家が参加してないって事だね。
でもね、そんな小型株の会社の業績がどんどん良くなって、株価が上がり時価総額が大きくなったとするよね。そうすると、ファンド会社の制約をクリアできるようになって、大口投資家が買えるようになるんだ。今まで買う事が出来なかった大口投資家が買えるようになるんだから、株価は一気に上がるよね。個人投資家は時価総額が小さい、つまり株価が安いうちに買えるから、この株価上昇の恩恵を受けることが出来て有利だと思うんだ。これも小型株効果の要因の一つだと思ってるよ。
流動性リスクの見返り
小型株は売りたい人も買いたい人も少ないから、いざ売ろうと思った時に中々売る事が出来ないことがあるんだ。売りたい人も買いたい人もたくさんいることを流動性が高い。逆に、市場参加者が少なく売りたい人も買いたい人もあまりいないことを流動性が低いというんだよ。
流動性が低いとどんなデメリットがあるの?
いざ売ろうと思った時にすぐに売れないことがあるんだ。流動性の低い銘柄の板は、買い気配と売り気配のスプレッドが大きい事が多くて、急いで売ろうとするとかなり安値で売らないといけないことが多いんだ。
売ろうとしたときにすぐに売れない、もしくは安値で売る事になるっていうのはマイナスだよね。だから、皆に敬遠されて実力以上に割安な株価になってることが多いって事だね。
その通りだよ。でもね、ヘムの投資戦略はバイアンドホールドで、いったん買うとよっぽどの事がない限り売らないんだ。保有し続けて長期で配当を貰い続けるのが狙いだからね。バイアンドホールド戦略をとる人にとって、売りにくいっていうこのデメリットはあまり関係ないでしょ。だから、流動性が低い事が理由で敬遠されている「小型割安高配当株」を長期保有する戦略はありだと思うよ。
アナリスト効果
カバーしているアナリストの人数が多い銘柄ほどパフォーマンスが悪く、アナリストの人数が少ない銘柄ほどパフォーマンスが良いというデータがあるんだ。大型株は相対的にカバーしているアナリストの人数が多く、小型株はカバーしているアナリストの人数は少ないよ。ヘムはアナリスト効果も小型株が大型株より成績が良い一つの理由だと思っているんだ。
以下は、少し古いデータだけどニッセイ基礎研究所が作成した2001年から2009年のそれぞれの「アナリストのカバー人数と投資成績」をまとめたグラフだよ
明らかにアナリストのカバー人数が少ない銘柄の成績が良いよね。
バリュー効果との重複(小型株が割安株が多い)
ここが、この記事の最重要ポイントだよ
小型株効果は明らかに存在する。
小型株は大口投資家が買う事が出来ず、アナリストのカバー率も少ないためミスプライスが起こっている可能性が高い。
ミスプライスには割高にミスプライスされている場合と、割安にミスプライスされているケースがある。
それでは、小型株で割安にミスプライスされている株、つまり小型バリュー株を買う事が最も好成績を出すんじゃないか?と考えたんだ。
小型バリュー株への分散投資が正解なのではないか
ヘムは小型バリュー株を多く所有しているよ。この10年間バリュー株の成績は市場平均を下回っているんだ。そんな中、ヘムの投資成績は市場を大きく上回っているのね。バリュー株冬の時代にも関わらず市場に大きく勝つことが出来たキーワードの一つは「小型 X 割安」なのではないかと思うんだ。今までこのブログで紹介したことがある「wanyan」さん「シーゲル」さん「kamonegi」さんはいずれも、バリュー投資家なんだ。この10年間は明らかにバリュー投資の投資環境は良くなかったんだ。そんな中でもこの3人は抜群の投資成績を出しているんだけど、キーワードの一つが「小型X割安」だと思うんだ。もちろん、それだけが原因ではないよ。でも、大きな要因の一つだと思うんだ。次回に「小型バリュー株」への投資の有効性を検証する記事をアップするね。
「高配当株とJリートで自分年金づくり」 wannyan07さん
「ネットネット株の未来」 しーげるさん
「鴨とネギの投資生活」by kamonegiさん
2022/11/10 追記)「小型株」と「割安株(バリュー株)」の相性がとても良い事をデータで検証して記事にしたよ。リンクを以下に貼っておくね。このデータを見ると、今のところ個人投資家の投資先としての正解は「小型バリュー株」だという事になると思うんだ。
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