今日はヘムの投資手法の2大巨頭の一つ。「増配は神」について掘り下げ「その2⃣」です。前回のポストで、増配を続ける銘柄への投資は「大きな安全域を持ち、かつ再現性の高い」という事が分かって頂けたと思います。今日は前回の続きで「今後増配する銘柄をどのように選べばいいのか❓」について解説させて頂きます。
最後まで読んだ上で、このポストが参考になったと思って頂けたら「イイネ」「コメント」「リポスト」「引用」嬉しいです😭よろしくお願いします🙇♂️
基本的な事からお話しますね。
🅾️配当性向ってなんだ🙄
当期純利益の何%を配当に回しているかという指数。
仮に当期純利益が100億円で配当総額は30億円とすると
配当性向は30%という事になります。残りの70%は内部留保の積み上げに回ります(自己株買いは無しと仮定)。
🌟増配狙い投資1 / 配当性向
増配狙い投資の場合は企業の配当余力が十分である事が望ましいです。同じ配当利回り3%の企業でも、配当性向30%の企業と配当性向80%の企業では、前者の方が配当余力があり良い投資先と考えます。
🌟増配狙い投資2 / 増配傾向
最終的な狙いは「継続した長期に渡る増配」を受け取る事です。幾ら配当余力があっても実際に増配してくれなければ何の意味もありません。配当性向が低く過去の配当推移が増配傾向である企業を選定する事で、「増配余力もあり」「実際の増配が期待できる銘柄」を選定する事が出来ます。
🌟増配狙い投資3 / 配当シグナル
増配傾向より更に安心感が高いのは「DOE採用」「累進配当宣言」「連続増配宣言」等の配当シグナルを発している銘柄です。「日経連続増配株指数や採用銘柄」「日経累進高配当株指数採用銘柄」への投資も増配に対する確度は高くなります。
🅾️配当シグナルってなんだ🙄
上場企業の経営者にとって「連続増配・累進配当政策」を宣言する事はとても勇気がいる事です。このような宣言をしておきながら「すいません。やっぱり駄目でした😢減配します」とは口が裂けても言えません。そんな事をしたらめちゃくちゃ株主に批判されますよね。このような宣言が出来るのは、経営者が「今後の長期の業績に強い自信を持っているサイン」だと考えられます。これを経営者から株主への「配当シグナル」と呼びます。
🅾️ DOEってなんだ🙄
以前ブログで詳細の説明をした事があるからそちらを見て下さい。分かりやすいと思います。
https://yutai-value-index.com/doe-investmnet-explanation/
🌟増配狙い投資4 / 業績の安定性
どれだけ「配当性向」が低くて現時点での増配余力があっても、業績が不安定で大元の「当期純利益」がぶれるようではこのロジック(低配当性向銘柄への投資)は破綻します。長期に渡り「業績安定 or 業績右肩上がり」の企業を選定します。
🌟 増配狙い投資5 / cash is king
cashは配当の原資です。現時点でcash richであればそれだけ配当余力があるという事になります。そしてそれ以上に大切な事は、cash 創出力です。会計上の利益が大きくても定期的な設備投資でcashが一向に貯まらない企業というのは、長期で増配を続けるのが難しくなります。
いくらPBRが低くても、ネットキャッシュ比率(%) = (手元流動性 – 有利子負債) ÷ 総資産
が低いのはあまり好ましくありません。
ただヘムの場合は今という1点のネットキャッシュ比率よりはむしろ長期の現金同等物の推移を重視してます。以下はヘムの主力銘柄の1社である横田製作所の現金同等物の推移です。同社の様に毎年現金が積みあがっている会社は増配余力が大きいと考えられます。
もう少しだけ掘り下げますね。同社の直近の現金同等物は約17億円、負債は約5億円。直近の配当支払い総額は9,300万円です。今ある現金-負債で12年分の配当余力があります。同社はこの10年で7億円現金を積み上げています。こういう所から相当配当力がありそうだなという事を数字で把握するのです。
一方同社のPBRは1.01倍です。そんなに割安という事はありませんよね。でも、配当継続力という観点からは割安だと思っているわけです。
以下同社のBSを見てください。資産欄の大半が流動性資産ですよね。同じPBR1倍でも資産欄の大半が固定資産の会社と、資産欄の大半が流動性資産の会社では同じではありません。やはり資産欄の多くをcashで持っているような会社は増配の観点からは好ましいのです。
経営としては資本効率が悪くても、今は「溜め込んで使わないcash」は株主に還元しなさいよという流れになっている事からも、このような企業への投資は長期で増配を享受できる可能性が高いと考えています。
🌟増配狙い投資6 / PER
増配狙いでも割安が前提です。極端な事を言いますね。PER5倍の会社が利益を全て配当に回すと配当利回りは20%です。配当性向が50%なら配当利回りは10%。配当性向が30%なら配当利回りは6%です。これだけで低PERの会社のパワーが分かって頂けると思います。
低PERで配当性向が高い会社は存在しないんです。そんな会社の配当利回りは無茶苦茶高くなるので、その会社の株は買い上げられてPERは上昇している筈です。狙い目は、PERが低めの会社で配当性向が低い会社です。そういう企業は増配のポテンシャルが高いのです。その会社の今後の業績見通しが悪くない場合は文句なしです。だからヘムは東京ラヂエータの株を主力化しました。東京ラジエータはPER5.8(真のPER6.9)配当性向13%/配当利回り2.18%です。
🌟増配狙い投資7 / 配当の原資は未来のEPS
よく、配当は未来のEPSから支払われるものなので、現時点の配当性向や過去の配当推移は関係ないという主張を見る事がありますが、それは違います。やはり過去から現在の軌跡は一定程度未来の予想に繋がっているのです。その為既に説明した以下6要素は増配狙い投資において大変重要な要素です。
1⃣ 低配当性向
2⃣ 過去の配当推移
3⃣ 配当シグナル
4⃣ 業績の安定性
5⃣ cash rich (cash 創出力)
6⃣ 割安
その上で未来のEPSが大事である事は間違いありません。当たり前です。対象企業のEPSの成長性を分析要素に加えます。定性分析でヘムが最も重要視しているのは
①競争優位性(堀)
②参入障壁
③成長余地(マーケット)
の3点です。(①と②の区別は曖昧ですが)
この定性分析をここで掘り下げると、とんでもない長文になるのでここではポイントだけに留めます。上記①②③を言い換えると
・利益は「競争優位性」から来ているのか?
・真似されにくい強みなのか?
・成長余地はあるのか?
という事になります。
🌟配当性向の基準
最後にヘムの銘柄選定基準の一つに以下のような基準があります。
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「配当利回り > 配当性向 ÷ 10」
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分かりやすく説明すると配当性向が40%の企業であれば、配当利回りが出来れば4%以上は欲しいなという考え方です。一方配当性向が20%であれば、配当利回りが2%以上でもいいやという事になります。あくまで目安の一つです、成長力や過去の増配傾向等によりケースバイケースで変えていきますが、大まかなイメージとしてこういう指標を使っています。
実はこの条件式はPER10倍以下の株を買いましょうという事と同義です。ただ、上記条件式の方がより増配見込みに対するイメージが湧きやすいので基準としています。
グラフ①
以下はヘムの全保有銘柄の「配当性向」と「配当利回り(現時点)」の散布図です。概ね中央値(黄色線)は「配当利回り=配当性向÷10」となっている事が分かります。ただ、最近の株高でやや利回りは落ちていますね💦
配当利回りを買値に対する利回りとした場合は、全体的にかなり上方に(同じ配当性向でも利回り高め)押し上げられます。全PFでは8割以上が「配当利回り>配当性向÷10」を満たしていますよ。
🌟まとめ
「増配は小さいが最も確実なカタリスト」というのが今のヘムの投資手法の根っこです。この手法は今の時流に乗っています。「小型割安 & 低配当性向 & 増配傾向 & 業績安定」に「+α」の投資手法で分散していれば市場を上回る期待値が得られるだけではなく、地に足のついた「長期で勝つべくして勝つ」投資が出来ると思っています。
ここに暴落時の対応を加えれば、ヘムの手法のほぼ全てを吐き出したと言っても過言ではありません😅
最後にヘムが増配狙いで銘柄選定をする際に重要視している基準を箇条書きしておきますね。
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